いつか、そのときに――
ではなくて――
今、このときに――
やりたいと思うことをやり――
やらねばならぬと思うことをやる――
例えば――
食べたいと思うものを食べ――
聴きたいと思うものを聴き――
知らねばならぬと思うことを知り――
学ばねばならぬと思うことを学ぶ――
それが――
(人生で一番に大事なことだ)
と――
最近、自分にいいきかせております。
……
……
もちろん――
これは――
僕自身が30代を過ぎて、40代の中盤に差しかかったからこそのことであり――
20代以前では――
事情は少し違いました。
10代や20代で「今、このときに――」を重視しすぎると――
肝心の30代以降で重視できなくなる――
そういう可能性がありました。
今を犠牲にしないのがよいのは、30代以降であって――
20代以前は、ある程度は今を犠牲にして、あすの自分に投資をする必要があったのです。
とはいえ――
この20代以前での戒めは――
あくまでも例外的事項であって――
原則として――
人生では、
――今、このときに――
が最も重要だ、と――
僕は考えます。
今、やりたいと思うことを、あすへ延ばしたりせずに――
あす、やらねばならぬと思うことで、今、悩んだりせずに――
……
……
なぜ今が大事なのか――
人が自分の意志で確かに制御できるのは――
今、自分の胸に秘めている思いだけであり――
かつ――
人が直に介入できるのは――
今、自分が向き合っている事態だけであるからです。
例えば――
今、食べたいものを、あすも食べたいと思うかはわからないし――
今、聴きたいものを、あすも聴きたいと思うかはわからない――
あるいは――
あすに知ねばならぬと思うことが何か、今はわからないし――
あすに学ばねばならぬと思うことが何か、今はわからない――
人生における確実性や直接性は、
――今、このときに――
しか――
ありません。