マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

虚構がもたらす安心感

 ――虚構がもたらす安心感

 というのは――

 いったい――
 何なのでしょうね。

 ……

 ……

 僕のいう「虚構がもたらす安心感」というのは――

 例えば――
 小説を読んだり映画を観たりして心が安らぐこと――
 ではなくて――

 ……

 ……

 例えば――
 思春期の少女が居合で日本刀を振りまわすのをみて――

(これが思春期の女の子で良かった)
 と安心することです。

 ……

 ……

 もし――
 日本刀を振りまわすのが――
 思春期の少年であれば――

 少なくとも僕は、
(恐いなぁ)
 と思います。

 また――

 仮に――
 それが、中年期や老年期の男性の熟練の技であるとわかっていても――

 やはり、
(恐いなぁ)
 と感じるでしょう。

 思春期の少年や中年期・老年期の男性だと、
(恐いなぁ)
 で――
 思春期の少女だと、
(良かった)
 となるのは――
 なぜなのか――

 ……

 ……

 おそらく――

 居合で日本刀を振りまわしているのが、思春期の少女なら――
 それを直ちに現実とは思わないで済むからです。

(映画とかTVの撮影でしょ?)
 と――
 ごく自然に思えてしまう――
 実際には現実――虚構ではない――かもしれないのに――

 ……

 ……

 何なのでしょうね、この安心感は――

 ……

 ……

 男の無責任な幻想ですかね。

 思春期の少女に対する幻想です。

 ……

 ……

 あ――「男の」ではなくて、「僕の」ですかね。