――虚構と現実との間に何があるのか。
ということを――
僕は、よく考えるのです。
例えば――
きのうの『道草日記』で述べた、
――日本刀を振りまわす少女
について――
これが映画やTVの撮影ならば――
その“日本刀を振りまわす少女”は、全体としては、
――虚構
です。
少なくとも、現実ではない。
が――
そのような虚構を虚構として成立させる条件は、あくまでも現実なのですよね。
その“日本刀を振りまわす少女”を演じる若手女優が、カメラの前に現実として存在しなければならず――
その女優が、本物か模造かはともかくとして、日本刀ないし日本刀らしきものを現実に振りまわす必要があるわけです。
そして――
決して忘れてはいけないことは――
その“日本刀を振りまわす少女”の動画ないし静止画という虚構をみて、
――いい画(え)だなぁ。
と無邪気に思う側は――
これら現実の条件の現実性に少なからず立脚している点です。
その“日本刀を振りまわす少女”の虚構は――
その“日本刀を振りまわす少女”が、老練の男性俳優によって演じられたのでは――
破綻します。
また――
その“日本刀を振りまわす少女”の日本刀の振りまわし方が稚拙であっても――
やはり、破綻します。