結婚と恋愛と――
あるいは、夫婦関係と男女関係と――
これらの間には断絶があって――
それは――
僕には、かなり大きな断絶に思えます。
ときどき――
両者の違いを、
――関係の強弱の違い――つまり、量的な違いにすぎない。
とみなしている人がいますが――
(いやいや、質的な違いでしょ)
と――
僕は思っています。
この“違い”の評価が折り合わないばかりに――
結婚や恋愛で深刻なトラブルになっている事例――あるいは、なっていた事例――を、いくつか知っています。
そうした事例を見聞きする度に、
(結婚と恋愛とをつなぐ何か中間的な段階を、どうにかして設定できないものか)
などと考えます。
以下は――
空想のような提言ですので――
そのおつもりで――
……
……
恋愛と結婚との間に――
例えば、
――公認交際
という段階を設定したら――
どうでしょうか。
“公認交際”は、結婚と同様、当事者が行政へ届け出るものです。
行政へ届け出るわけですから――
もちろん、ただの男女関係にはない縛りが生じます。
が――
その縛りは、少なくとも夫婦関係よりは、ずっとユルい――
例えば、
――公認交際をしている間は、結婚はもちろん、他の者との交際はできない。しかし、公認交際の取り消しは、いつでもできる。いずれか片方の届け出でも、取り消せる。
とか――
――公認交際は、12歳以上なら、誰でも届け出られる。ただし、18歳以下は、保護者の同意が必要――
とか――
もちろん、名字の統一などの戸籍上の変更は伴わない――
税制上の優遇措置や遺産相続の権利などもない――
……
……
わかりやすくいえば――
いわゆる“恋の告白”やその受容を――
社会的に明示するだけのことです。
例えば、
――付き合ってください。
――いいですよ。
とか、
――ねえ、あたしたちって、いま付き合ってるの、付き合ってないの、どっち?
――う~ん、少なくともオレは、そのつもりだったけれど、そっちは、どうなの?
とか、
――きょう、泊まりにいっていい?
――ん? ああ、いいよ。
――意味、わかってる?
――うん、わかってる。
とかいうように――
男女関係が始まるときには――
ふつう何らかのやりとりが当事者間で交わされますよね。
そのようなやりとりがあったことを社会的に公然と認定する――
それが、ここでいう「公認交際の制度」です。
……
……
(かなり、いいかげんなことを書いてるな)
と――
自分でも思います(笑
……
……
こんな制度のある現代日本社会を――
ファンタジーとして描いてみたら――
けっこう面白いかもしれません。