――恋愛の延長にこそ、結婚はある。
と信じ切っている人は――
たぶん――
夫婦間の諸問題への理解や対応が遅れるでしょう。
たしかに――
人は、恋愛や結婚の現実を知るまでは――
何となく、
恋愛 → 結婚
と考えがちです。
が――
実際には、
結婚 → 恋愛
もありますし、
恋愛 → 恋愛
結婚 → 結婚
も――つまり、恋愛と結婚とが全く交わらない、という様式も――あるのですね。
……
……
以上のことを――
簡単にいいかえるなら、
――恋愛と結婚とは、互いに独立している営みである。
ということです。
つまり――
恋愛が結婚に従属していたり――
結婚が恋愛に従属していたり――
ということはない――
あるいは――
恋愛が結婚を生むわけではなく――
結婚が恋愛に依るわけではない――
ということです。
……
……
かといって――
当たり前ですが――
恋愛と結婚とは全く無関係といわけでも、ないのですよね。
だから――
夫婦のことは、何かと難しいのです。
……
……
無関係でないとしたら――
どんな関係なのか――
……
……
僕は――
結婚は恋愛の、
――影絵
である、と――
思っています。
――「社会」という名のスクリーンに映し出される影絵
です。
人の手の動きなどから動物などを表したりする――あれです。
影絵の原理を考えれば――
光源とスクリーンとの間にある事物こそが本態であり――
スクリーンに映し出される影絵は「擬態」とみなせます。
が――
スクリーンをみている観客にとっては、あくまで意味があるのは擬態のほうなのです。
いわゆる「結婚」という社会制度は、このような影絵の仕組みに似ていると――
僕は思っています。
……
……
よって――
夫婦間の諸問題に向き合うには――
次のことに留意するのがよいです。
すなわち、
――問題はスクリーンに映っているが、問題の本質は光源とスクリーンとの間にある。
と――