マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

猥褻に潜む真の問題

 ――猥褻(わいせつ)とは、生殖欲求を醸し出す色気と生殖欲求に関わる背徳との掛け合わせである。

 ということを――
 この10日の間、『道草日記』で繰り返し述べてきました。

 数式らしく表せば、

  猥褻 = 色気 × 背徳(生殖欲求)

 です。

 この猥褻は――
 少なくとも公序良俗の観点からは、

 ――悪

 とみなされがちです。

 例えば――
 学校の先生が児童や生徒に向かって、

 ――猥褻の何たるか。

 を詳しく説明することは、とても考えにくいでしょう。

 せいぜい、

 ――猥褻は悪である。

 との結論に軽く触れる程度です。

 よって――
 深刻な誤解が生じえます。

 猥褻が悪だとしたら――
 それは、

  猥褻 = 色気 × 背徳(生殖欲求)

 の数式からも明らかなように、

  背徳(生殖欲求)

 の項に起因します。
 決して、

  色気

 の項ではありません。

 が――
 学校の先生から、

 ――猥褻は良くないですよ。

 と教わった児童や生徒は――
 おそらくは、誤解をするのです。

 ――色気が良くないのだ。

 と――

 10歳前後の子どもにとって――
 生殖欲求を醸し出す色気の感覚と生殖欲求に関わる背徳の感覚と――
 どちらが、より切迫した感覚かといえば――

 それは、

  色気

 のほうに決まっているからです。

 ここに――
 猥褻に潜む真の問題がある、と――
 僕は考えています。