マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

織田信長が好きであったのは

 人が好きでないと――
 人をまとめることはできないと思うのです。

 人嫌いの人に――
 人をまとめることはできない――

 ……

 ……

 いわゆる、

 ――天下人

 というのは――
 天下に号令をかける人物のことですが――

 ここでいう「天下」とは――
 要は、

 ――人の世

 のことです。

 そして――
 その「“人の世”を治める」とは――
 要は、

 ――人をまとめる。

 ということです。

 ですから――
 天下人は、人が好きでなければ務まらない――

 ……

 ……

 豊臣秀吉は、人が好きであったでしょう。

 徳川家康も――
 おそらくは、人が好きであったでしょう。

 が――
 織田信長は、
 (おそらくは、違う……)

 ……

 ……

 彼は、

 ――人以外の何か。

 が好きであった、と――
 僕は思います。

 それが何なのかといわれると――

 ちょっと答えられないのですが――

 ……

 ……

 ひょっとすると――

 ――どんなときでも自分の好きに生きられる自由

 が好きであったのかもしれない、と――
 僕は思います。

 たしかに――
 天下人になれば、一見、

 ――どんなときでも自分の好きに生きられそう――

 ではありますよね――
 実際は、違いますけれど――

 ……

 ……

 だから――
 織田信長は――
 少なくとも一度は天下人を目指した――

 そう思うのです。