――“怯(きょう)・勇”軸
と並びうる情動軸として、
――“驚(きょう)・願(がん)”軸
というものが考えられるかもしれない――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
試みに――
その、
――“驚・願”軸
というものを、具体的に記してみれば――
以下のようになるでしょうか。
←気絶―呆然―困惑―自若―期待―確信―盲信→
←卒倒―自失―動揺―自如―希望―信奉―偏執→
とはいうものの――
……
……
こうして“驚・願”軸を具体的に記してみると――
「驚」や「願」の感情が、「好」や「嫌」の感情と同じく、意識の働きと密接に関わっていることがわかります。
きのうの『道草日記』で述べたように――
「驚」の感情は、一見、
――判断に与える影響の直接性
が高いのですが――
「願」の感情は、それが明らかに低いといえます。
「願」は、
――未来
の事物が対象です。
――未来
は――
2020年1月8日の『道草日記』で述べたように――
意識の働きが、
――過去
と、
――現在
とからの比較によって作り上げるものです。
つまり――
「願」の感情には、意識の働きが密接に関わっています。
そして――
その「願」の反対の感情が、「驚」です。
よって――
「驚」についても、実は、
――意識の働きが密接に関わっている。
と考えざるをえません。
よく考えてみれば――
――なぜ人は驚くのか。
の問いが示唆に富んでいました。
なぜ人は驚くのか――
それは――
これまでに思っていたことと違うことが起こったり、わかったりするから――つまり、意識的にせよ無意識的にせよ、未来の事物に漠然と思いを馳せているからこそ――人は驚くのです。
そのような意味で――
「驚」の感情には、一見、意識の働きが密接には関わっていないようでいて、実は、けっこう密接に関わっている――
といえるのです。
よって――
きのうの『道草日記』で、
――“怯・勇”軸
と並びうる情動軸として、
――“驚・願”軸
というものが考えられるかもしれない――
と述べましたが――
実際には――
そのようには考えにくい――
という結論を得ます。