マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

身体の感覚器が受け取る信号を変える

 精神は――

 身体が、

 ――身体の外部の部分情報

 を受け入れて、

 ――身体の内部の全体情報

 を書き換える際に、

 ――“身体の内部の部分情報”を身体の外部へ送り出すのに費やしうる“身体の内部の全体情報”の量の上限

 が可能な限り低くなるよう――

 身体を制している――

 といえる。

 

 その“身体の内部の全体情報”の書き換えの眼目は――

 おそらく、s や q (x, t) である。

 

 s は、身体の感覚器が受け取る信号を決める変数であり――

 q (x; t) は、身体の持ち主が、身体の外部における状態について、主観的に見積もる確率であり――

 x は、身体の外部における状態を決める変数である。

 

 s を書き換えるとは――

 どういうことか。

 

 簡単にいえば――

 身体の感覚器が受け取る信号を変える――

 つまり、

 ――知覚

 を変える――

 ということである。

 

 ――信号を受け取った後に“身体の内部の部分情報”を身体の外部へ送り出すのに費やしうる“身体の内部の全体情報”の量の上限

 が可能な限り低くなるように、

 ――知覚

 を変える――

 

 ……

 

 ……

 

 では――

 

 知覚を変えるには――

 具体的に、どうすればよいのか。

 

 ……

 

 ……

 

 ――運動

 である。

 

 つまり――

 身体の運動器へ信号を送り出す――

 

 例えば――

 身体の感覚器が、

 ――あの辺りに食物がありそうだ。

 との信号を受け取ったら――

 身体の運動器へ信号を送り出し――

 例えば、その辺りに出向いて、さらに詳しく調べてみる――

 

 その結果、

 ――やはり食物があった。

 との信号を受け取る――

 

 このように――

 身体の外部の状況を多少なりとも変えることが、

 ――知覚

 を変えるということ――

 つまり、身体の感覚器が受け取る信号を変えるということ――

 に他ならぬ。

 

 『随に――』