マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

対話の“潤滑油”となる問い

 ――愚かな問い

 への対応は――

 教育の現場を除けば――

 難しい。

 

 第一に――

 その“問い”が――

 相手の無知や無理解から発せられているのか――

 相手の敵愾心や侮蔑心から発せられているのか――

 の見極めが難しい。

 

 第二に――

 無知や無理解から発せられているのであれば――

 それを婉曲に伝えることが難しく――

 敵愾心や侮蔑心から発せられているのであれば――

 それを冷静に聞き流すことが難しい。

 

 ――愚かな問い

 に限らぬ。

 

 一般に、

 ――悪い問い

 への対応は――

 難しい。

 

 ――悪い問い

 とは――

 簡単にいえば――

 ――新しさ

 や、

 ――答え甲斐

 に欠ける問いのことだ。

 

 よって――

 そうした問いを受けたなら――

 相手に、

 ――その問いは新しくない。

 とか、

 ――その問いには答え甲斐がない。

 とかいうことを――

 諍(いさか)いとならぬように――

 婉曲に伝えねばならぬ。

 

 これに対し、

 ――良い問い

 への対応は――

 概して易しい。

 

 ――良い問い

 とは――

 簡単にいえば、

 ――新しさ

 や、

 ――答え甲斐

 のある問いのことだ。

 

 よって――

 こうした問いを受けたなら――

 まずは、その、

 ――新しさ

 を称え――

 相手の機嫌を良くしてから――

 活気を漲(みなぎ)らせて闊達(かったつ)に答えることで――

 その問いに、

 ――答え甲斐

 があったことを暗に示せばよい。

 

 ――良い問い

 とは、

 ――対話の“潤滑油”となる問い

 である。

 

 『随に――』