マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

愛想笑いの悪夢

 お店で、商品を手にとってレジに並ぶときに、いつも、よぎる悪夢があります。

 ――財布におカネがなかったらどうしよう!

 という悪夢です。

 商品を手に持っているので、財布の中身を確認することができません。
 そのままレジに突入し、レジの前に商品を置き、いそいそと財布の中身を確認し、

 ――ああ、よかった。

 と安堵するわけです。
 確認が支払いの直前なので、精神衛生上、非常によくない。

 もし、

 ――やべえ! カネがねえ!

 となったら、どうするべきでしょうか?

 愛想笑いでも浮かべて商品を戻しにいかないといけませんね。

 レストランだと、もっと辛い。
 何しろ、商品は胃袋の中ですから――

 まさか、戻すわけにもいかないし……。

 幸い――
 今日まで、そのような目にあったことはありません。

 財布の中身がなくなると、すぐに補充する癖がついているからです。
 最近ではクレジット・カードも持っていますしね。

 でも――
 夢の中では、時折、そのような目にあっております。

 昔は、

 ――やべえ!

 となったところで、目が覚めていたのですが、最近は覚めません。

 肝っ玉がすわってきたということでしょうか。
 愛想笑いを浮かべて商品を戻しにいっています。