マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

凶器の手紙

 私は、手紙やメールを積極的に出すほうだと思うのですが――
 いまだに失敗ばかりしています。

 とくに最近、以前では考えられなかったようなミスが続いています。
 油断でしょうか。

 思い込みや舌足らず――

 文字に書かれたメッセージは、後々まで残るだけに、実に恐ろしい。

 そういえば――
 医学生の頃、実習中に、患者さん(正確には患者さんの御家族)から手紙をもらったことがあります。
 嫌がらせの手紙です。

 僕が担当した患者さんの隣のベッドにいた患者さんでした。
 その患者さんのことを、僕は無視したそうなのです。

 無視したのは本当でしょう。
 自分の担当の患者さんのことで頭がいっぱいでしたから――

 もちろん、結果的にそうなっただけで、故意に無視したわけではありません。

 でも、そういう言い訳は通用しません。

 いまだからこそ、笑って話せますが――
 当時は、こたえました。

 悪意だけから成る手紙というものは、実に、たまりません。

 手紙は、かくも恐ろしき凶器となり得ます。

 凶器の手紙を、故意に書くのは論外ですが――
 思い込みや舌足らずで、つい書いてしまうのも、厳に慎みたいものです。