最近、TVは、ほとんどみないのですが――
『音楽・夢くらぶ』――
あれだけはみています。
毎週木曜夜11時15分から、NHKで放映中ですね。
進行役・中村雅俊さんの静かな語り口が、気分を落ち着かせてくれます。
邦楽を扱うという点も好きです。
10年くらい前のNHKは、大人向け音楽番組というと、すぐに洋楽に走っていたものですが――
それが気に入らず、
(邦楽にも名曲が、たくさんあるじゃないか!)
と息巻いておりました。
洋楽礼讃の傾向は、数年前に止まります。
その象徴が『夢・音楽館』でしょうね。
桃井かおりさんが進行役でした。『音楽・夢くらぶ』の前身です。
――トークで音楽の話を全然しない。
と、一部では不評だったようですが、僕は、好きでした。
いたずらに洋楽ばかり扱う番組よりは遥かにいい、と――
思うに、ある年代より上では、洗練された音楽といえば、洋楽だけだったのでしょうね。
たしかに、戦後の歌謡界には、どこか垢抜けない雰囲気があった――それが嫌で、洋楽に走っていたのかもしれません。
僕らの世代(70年代生まれ)では、洋楽と邦楽とに差を感じません。
専門家によれば、音の技術に相応の差があるそうですが、僕には、よくわかりません。
詞だけなら、並んでいます。
平凡な詞が多いのですが、そうでない詞も多い。
人の気持ちを揺さぶる詞は、邦楽にも決して少なくありません。
そして――
音にこだわらないのは、むしろ日本文化の特性だと思うのです。
短歌や俳句を生んだ国の文化です。
音の技術に差があったとしても、まあ、いいじゃありませんか。
というわけで、毎週、『音楽・夢くらぶ』をみていたのですが――
昨日は見忘れました。
再放送は、地上波ではやっていないそうで――
見忘れた番組ほど、後々まで尾を引きます。