マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

野球で負けるときは

 野球で負けるときとは、こういうものです。

 ワールド・ベースボール・クラシック2次リーグで、日本は韓国に競り負け、準決勝進出は、ほぼ絶望となりました。

 1次リーグでも、日本は韓国に敗れています。
 あのときの韓国の勝利は不思議だったはずです。一歩間違えれば大量失点で敗れていました。

 が、今日は違いますね。
 順当勝ちです。

 日本はミスが多すぎました。

 2回裏、2死2塁で里崎選手がライト前にヒットを放ちますが、2塁ランナーの岩村選手のスタートが遅れました。
 遅れていなかったら、日本が先制点を奪っていた可能性が高い――その後の試合展開も違っていたはずです。

 もう1つ――
 8回表、1死1塁からイ・ビョンギュ選手がセンター前ヒットを放ち、1塁ランナーが3塁を狙いました。
 すかさず、センターの金城選手が3塁に返球するも、3塁手の今江選手が落球、ランナーを刺せませんでした。
 今江選手のプレーは、少なくとも見かけ上は、基本から逸脱したプレーでした。起こるべくして起こった落球といえます。

 その他にも――
 1回、2回、6回と、いずれも先頭バッターを出しながら、無得点で終わっている――
 紛れもなく韓国の守り勝ちです。

 こう書くと、

 ――日本野球のレベルは、そんなものか。

 と誤解する人がいます。

 そうではありません。

 野球解説者の衣笠祥雄さんも仰っていましたが――
 今日の韓国は日本野球を完璧に実践したのです。

 力に頼るザツな野球とは違う――
 技で魅せる丁寧な野球です。

 それを完璧に実践され、しかも自分たちはミスを重ねてしまった――負けるのは当然です。
 むしろ、韓国が日本野球の真価を実証してくれたといえます。

 イチロー選手の舌禍も無視できませんでした。

 ――むこう30年は日本に手が出せないと思わせるくらいに勝ちたい。

 は余計です。
 アメリカに向かっていうのは構いません。誰も本気にはしませんから――むしろ、日本を鼓舞していたでしょう。
 が、韓国や台湾にいってはいけない。いたずらに士気を高めるだけです。
 イチロー選手の社交辞令は、プレイほどには成熟していなかったということでしょう。

 韓国には、このまま世界一になってほしいですね。
 アメリカ中心の野球界を変えるビッグ・チャンスです。
 アメリカをよせつけず、

 ――むこう30年は手が出せない。

 と思わせるくらいの勝利を期待します。