――生まれ変わったら、男と女と、どちらがいい?
という質問に、多くの女性は、かなり明確に、
――女
と答えるのに――
男は違う。少なくとも、女性が「女」と答えるほどに、
――男
と答える向きは希(まれ)である。
なぜか。
僕は男だ。
僕個人の意見をいえば、
(今回は男だったから、次回は女でもいいかな)
と思う反面、
(また男がいいかな)
とも思い、結局、
(どっちでもいいや)
となる。
よく考えれば――
今回、男に生まれついたのは、男を選んだからではない。気付いたら男になっていたのだ。
だから、
――男と女と、どちらがいい?
と訊かれ、「女」と明確に答える女性の多いことが、むしろ僕には不思議なのである。
(女って、そんなにいいもんなの?)
と訝ってしまう。
男は、そこまで良くはない――悪くもないけれど――
――男はつらいよ。
などというけれど――
実際、そこまで辛(つら)くはない。
むしろ、女性のほうが辛そうである。
男は、相当な覚悟がなければ、女性には成り切れぬと思っている。