マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

荒唐無稽なシーン

 以前にも、どこかで書いたことだが――

 もう一度、書いてみる。

     *

 SF映画をみていたら――
 何台もの空中自動車が、高層ビルの合間を、ものすごい勢いで飛び回っているシーンに出くわした。

 すごいのはスピードだが、もっとすごいのは密度である。
 狭い高層ビルの合間を、何百台もの空中自動車が、互いに衝突する事なく、ものすごい勢いで走り抜けている。

(こんなん、ありえね~)
 と思った。

 この先、いくら技術が進歩しても、こんな光景が実現するとは、ちょっと思えなかったのだ。
 SF映画ならではの、かなり荒唐無稽なシーンだと感じた。

 が――

 僕の家の近くには、片側3車線の大通りが走っている。
 夕方などは、ものすごい密度の自動車が、ものすごいスピードで、走り抜けていく。

 それをみる度に思う――
(これって、あのSF映画のシーンに似てないか?)
 と――

 例えば――
 このシーンを映像に収め、江戸期の人々にみせたら――
 まず間違いなく、

 ――荒唐無稽

 と感じることだろう。