俳優の中村梅雀さんが、25歳年下の女優さんと結婚されたそうである。
今日のネットで流れたニュースである。
25歳の年下である。
(え? そんなのありなの?)
と思った。
ま、ありだろうな。
*
いいニュースだ。
正直、嬉しくなった。
(まだ17年も待てるじゃん)
と――
僕は今、33歳なので――
*
いや――
僕の話などは、どうでもよい。
(そんなに結婚したいなら、とっとと結婚しやがれ! このヤロー!)
で終了だ。
それなりの覚悟を決めればよい。
それだけのことである。
*
このニュースが嬉しかったのは――
中村梅雀さんのニュースだったからである。
梅雀さんは、僕の好きな俳優さんだ。
1995年のNHK大河ドラマ『八代将軍吉宗』で、主人公・徳川吉宗の嫡子・家重を演じた。
家重は後に九代将軍となった人物である。
ある種の身体障害を負って生まれ、周囲との意思疎通に苦労した人物としても知られる。
当然、演じるほうは大変だ。
演じ方によっては、障害を負う人々への非礼となる。
が、梅雀さんはリスクを恐れず、真正直に演じられた。
その演技が多くの視聴者の心を打った。
以後、
――家重役の人
として、広く世間に認知されるようになった。
僕が梅雀さんの演技を初めて知ったのは、その10年前である。
1985年のNHKドラマ『真田太平記』の徳川秀忠役だ。
徳川秀忠は徳川幕府の二代将軍で、徳川家康の三男である。
『真田太平記』では嫌らしい悪役として描かれていた。
(こんなに嫌らしく演(や)れるんだから、きっと素はいい人に違いない)
と思った。
実際、トーク番組などで拝見する限り、そんな感じの俳優さんである。
だから、好きになった。
ちなみに――
『真田太平記』の徳川家康は、梅雀さんの実父・中村梅之助さんが演じられた。
家康役としては史上最高の当たり役といわれる。
梅雀さんの秀忠が鮮烈だったのは、そのせいもあろう。