今日は、この話は書かぬつもりでいたが――
やはり、書かずにはおれぬので、書く。
*
今日、改正教育基本法が、参院本会議で可決された。
(ホントに改変しやがった!)
というのが、正直な感想である。
教育基本法は、教育界の憲法に相当する重要な法律である。
その法律が、衆院選挙を一度も経ぬままに、現政権の手で、いとも簡単に改変されたことは、実に危うい。
確かな国民的議論が巻き起こるのを待ってからが良かった。
安倍首相は危険だ。
見識の無さから、この国を誤った方向に導く可能性が高い。
教育基本法は、教育を司る法律である。
軍事や治安、外交、通商、経済などを司る法律ではない。
何ら急ぐ必要はない。
なぜ待てぬのか?
来年の参院選で、国民の信を得てからでも良いではないか。
それとも、勝てぬと踏んでのことか。
ならば――
最初から総理の器ではなかったということだ。
そもそも、国会の場で「美しい国」なるスローガンを垂れ流して、平気な人である。
「美しい」が根ざす主観の安直性は、政治が最も忌み嫌う要素のはずだ。
政治の要諦を弁えておらぬ。資質に欠けるといってよい。
だから、教育基本法を拙速に改変したがったのであろう。
自由民主党は、結党以来、最大の過ちを犯したかもしれぬ。
「過ち」とは安倍首相の擁立を指す。
亡父の無念を息子に晴らさせてはならぬ。
安倍首相の亡父・晋太郎氏は、総理への道を半ばに、病で逝った。
たしかに――
亡父は、総理の器であったかもしれぬ。
が、息子は違う。
自由民主党が、亡父の無念と息子の理念とを区別できなかった罪は、まことに重い。