今日になっても、喘息(ぜんそく)は治まらぬ。
あいかわらず、ゼロゼロといっている。
ちょっと長引きそうだ。
高校卒業に学んでいた予備校で、幼少時に喘息で苦しんだ経験のある先生がいた。
学校にも満足に通えぬくらいであったという。
――今では、かなり良くなってますけども――
と元気そうに笑っておられた。
が、その笑みを浮かべたままで、
――きっと僕は、これで死ぬんだろうな、とは思います。
と述べられた。
(いくら何でも大げさな……)
と、当時は思った。
今は、
(なるほどな)
と思う。
その先生は――
ちょうど今の僕と同じくらいの年齢だったと思う。