マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

精一杯に楽しく

 ――人間は皆いつか死ぬのに、どうして生きなければならないのだろう?

 という声を、よく耳にする。
 なかには、

 ――どうせ死ぬんなら、もっとイイカゲンに生きたっていいじゃん。

 とか、

 ――もう何もかもメンドーだし……。マジ、死にたいんだけど……。

 とかいう声もきく。

 そういう声に向かって――
 僕らは、何ができるだろうか。

 猫なで声で、

 ――真面目に生きようよ。

 とか、熱血漢風に、

 ――死ぬなんて考えるな!

 とかいっても――
 多くの場合は、無意味である。

 生に後ろ向きの人の心には、容易に届かない。

 届く場合もあるから、ややこしいのだが――
 まあ、それは、ともかく……。

 そういう人に向かって、生の享受を促したかったら――
 自分が生の享受を実践してみせるしかない。

 精一杯に楽しく生きてみせるしかない。

 ――オレ、今、こんなに楽しいんだけど――

 などと、わざわざ声高に語らなくてもわかるように――
 心から楽しんで生きてみせるしかない。

 妥協は禁物だ。
 独り善がりの回避は、生の追求への躊躇とは別物である。