マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

人は一人では

 人は一人ではいきられない。

 だからこそ――
 知己を繋げ、交友を結び、愛を交わし、家庭を築き、子を成して――
 そうやって、寄り添って生きていく。

 本当に、どうしようもなく手垢のついた言い回しではあるが――
 人生の現実的側面の幾つかを目にすれば――
 そのように噛み締めざるをえないではないか。

 ――人は一人では生きられない。

 と――

 が――

(でもね)
 などとも思う。

(本当は一人なんだよね)
 と――

 人というものは――
 この世に一人で生まれ出て――
 あの世に一人で旅立っていく。

 一人で生まれ、一人で死んで――

 そうやって逆説の只中を泳ぎ渡るのが、人の生涯の真実だ。

 人は一人では生きられない。

 それなのに――
 一人で生きていかざるをえない。

 人は、なんと愛おしい存在であろう。