マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

ケチャップを刺身に

 ――ナウい

 という俗語がある。

 僕が中学生だった20年近く前には――
 すでに古くさい言葉として認知されていた。

 20年前から古くさいのに、未だに使用されているところを――
 たまに、みかける。

 もちろん――
 使用しているほうは、その「古くささ」を百も承知なのであろう。

 古くさいがゆえに――
 使ってしまうようである。

 僕は、この言葉が大嫌いで――
 だから、中学以来、この言葉を、ほとんど使っていない。

 直接的には、もちろん――
 間接的にも使っていない。

 今日の『道草日記』の冒頭での使い方は、間接的であるわけだが――
 こうやって使うことでさえ、20年ぶりくらいである。

 それだけに、気になる。
 なぜ、未だに、この言葉が使われたりするのであろうか、と――

 今日もネットをチェックしていたら、この言葉をみかけた。
 試みに検索をかけると、10~20万件以上がヒットする。

 理由の一つは、この言葉の表す意味が普遍的だからであろう。

 この国では、古来より「今様」という言葉が用いられてきた。
「今様歌」の略称として使われるが、本来の意味は「今時の」――つまり「ナウい」――と、ほぼ同じである。

 僕は、この「今様」とか「今風」とかいう言葉が大好きで――

 だからこそ――
 そのぶん「ナウい」が大嫌いなのである。

「英語を中途半端に日本語化するな!」
 といいたい。

 ケチャップを刺身にかけるようなものではないか。