マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

高校の理科選択

 仙台の高校1年生は、この時期、理系か文系かの選択を迫られる。
 あるいは、理科の履修科目をどれにするか、といったようなことを決めねばならない。

 現在、高校の理科は、物理、化学,生物、地学の4科目が主だ。

 理系なら、物理・化学か化学・生物か――文系なら、生物か地学か――
 そういったところが、実際の選択の骨子となる。

 先週から今週にかけて――
 生徒さんたちから、立て続けに相談をうけた。

 その都度、どうしたものかと悩んでいた。

 安易な助言は与えたくない。
 例えば、

 ――理系なら、とりあえず物理にしとけ。

 とか、

 ――覚えるのが嫌なら、地学がいいぞ。

 とか――
 そういうことは、いいたくはない。

 基本は、

 ――少しでも興味のあるものを選べ。

 もしくは、

 ――まったく興味がないものは選ぶな。

 である。

 そうはいっても――
 理科が好きな生徒さんは、基本的に、全てに興味があり、嫌いな生徒さんは、全てに興味がない――そういうものである。

 少しでも好き嫌いを感じてもらおうと、各科目の教科書をみせたり、入試問題をみせたりしているのだが――
 かえって迷いを増幅させただけのような気もする。

 結局のところは――
 実際に学んでみなけば、わからないものなのだ――
 その科目の悪さも良さも――

     *

 高校時代――
 僕は、大学の物理に興味があった。

 昼休みに、食堂で物理の先生とお昼御飯を食べたときに、大学の物理の勉強について、質問をした。
 先生、曰く、

 ――教科書に「簡単な計算によると~となる」と書いてある。けれど、実際に計算してみると、大学ノート2ページ分くらいになる。

 と――
 僕は、さも感じ入ったように、

 ――大変そうですね――でも、面白そうですね。

 と答えた。

 そのときの僕を、今の僕は否定したりしたくはない。

 が――
 フェアにいえば、

 ――何もわかってなかったくせに!

 である。
 たしかに、大学の物理は、大変だけど面白い。

 ――でもね。

 と、今の僕なら、いう。

 ――大切なのは、そういうことではなかったんだよ。

 と――

 ――いかに「知りたい!」と思い続けられるのか――それこそが、最初で最後のポイントなんだよ。

 と――