自分の姿がうつった写真をみるのは、心地の良いものではない。
5年、10年前の自分の姿が、妙に若々しく、変に清々しく、思い出されるものだから――
何とも、たまらない気持ちになる。
男の僕でも、そうなのだから――
女性の立場では、想像を絶する葛藤が、胸中を渦巻くことであろう。
5年、10年前の自分を思い出したりするから、いけないのである。
5年、10年先の自分を思い浮かべたりすればよい。
ところが、そうはいかないのである。
5年、10年先の自分の外見など、まるで想像がつかない。
心の内面なら、何とか想像できないこともないのだが――
体の外面となると、雲をつかむような話である。
言葉でしか存在ない異世界の衣装をまとったときの感触を、想像するようなものである。
正確には――
単に想像したくないだけかもしれないが――
*
ここ1年で、かなり体重が減った。
20代前半の頃の体重である。
首から下は、
――ほぼ元通り!
といった印象である。
が――
首から上は、決して戻らない。
20代前半の自分が、想像もしなかったような頭が――
座り悪く、乗っかっている。