マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

夏バテ

 僕が夏バテを本格的に経験したのは――
 たぶん、今年が初めてである。

 今まで「夏バテ」という言葉をきく度に――
 どこか他人事だと思っていた。

 たしかに――
 夏は暑く、うっとうしい。

 ジッとしていても汗をかく。
 汗をかくから、疲れがたまる。

 そうした不具合を大仰にいったものが、

 ――夏バテ

 だと思っていた。

 が、どうも、そうではない。

 夏バテというのは――
 気持ちの問題だ。

 気持ちが暗くなったり、気力が萎えたりすることが、夏バテの本態であると思う。

 つまり――
 たとえ疲れがたまっていても、気持ちが明るく、気力が充実していれば、夏バテではない。

 発汗過多に陥って、疲労困憊を極めても――
 精神衛生が悪くなければ、夏バテの自覚は生まれない。

 事実――
 去年までの僕は、毎年のように、そうであった。

 夏バテとは無縁であった。

 なのに今年は――

 何が原因か。

 直接の原因は――
 不眠である。

 夜が眠れない。
 朝が最高に憂鬱である。

 では、不眠は、なぜだろう?

 ここまで書いて、笑ってしまった。
(「なぜだろう?」は、ないものだ)
 と――

 不眠の理由はわかっている。

 わかっているが――
 あえて記述するには、あまりにも無価値な理由なので――
 ここ(『道草日記』)には書きたくない。

 そういうとき――
 僕は文章を一から書き直す。

 何か文章を書いていて、
(これは、や~めた!)
 と思ったら――
 すぐに、すべてを消去する。

 今日は、消去しない。

 たまには、いいでしょう。

 これも夏バテの影響か。