秋が深まってきた。
今年は残暑が長引き、秋の到来は遅れたようだが――
ここにきて、宮城の野山は次第に色づき始めている。
*
紅葉には、実は、あまり思い入れがない。
桜とは大違いである。
僕は、春の桜には、わりと夢中になるほうだが――
秋の葉の色づきには、かなり冷淡だ。
(年齢のせいかな)
と思う――
至極、月並みの表現だが――
人生を四季に喩えると、の話である。
10代、20代の春――
30代、40代の夏――
50代、60代の秋――
70代、80代の冬――
僕は、今年で34なので――
人生の秋は、未経験である。
50代に差し掛かる頃には、紅葉にも思い入れがもてるのかもしれない。
そういえば――
10代、20代は、桜の良さがわからなかった。
桜の良さが身に染(し)みてきたのは、30代になってからである。
ということは――
紅葉の良さが身にしみてくるのは、70代になってからか。
その頃まで生きられるかどうかは、ちょっと自信がない。
現に、僕の父は還暦を待たずに亡くなっている。
紅葉は――
僕には縁遠いのかもしれない。