マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「老将」は早すぎた

 ビックリした。
 サッカー日本代表チームのオシム監督が、脳梗塞で倒れたという。

 報道によれば、容態は予断を赦さず、1、2日が山場という。

 急な発症であり、かつ、ごく軽症というわけでないのなら――
 当然の判断だ。

 1941年のお生まれという。
 今年で66歳だ。

 しばしば、

 ――老将

 と呼ばれる。

 たしかに、「老」かもしれない。

 が、

 ――1941年

 というのを耳にし、
(あれ?)
 と思った。

 実は――
 僕の父も1941年の生まれである。

 父は6年前に、還暦を迎えることなく、亡くなった。

 その父と同い年で「老将」という。
 生きていれば、父も、そういう年頃であったのか。

 いや――
 そうではない。

 オシム監督は「老将」を代名詞にされることが多かったので――
 僕も、すっかり、そのつもりでいたのだが――
 つまり、70代くらいのつもりでいたのだが――

 とんでもない――
「老将」は早すぎた。

 父親が同年である一ファンとして、思う。
 もう少し違った呼称はなかったのか、と――

 なんだか、ひどく取り返しのつかないことであったような気がする。
 まるで、僕らが「老将」と呼び慣わしすぎたから、脳梗塞で倒れてしまったのではないか、と――

 オシム監督は、日本が惨敗した去年のワールドカップの後に就任し、日本のファンに一筋の光明をもたらしてくれた。
 今の日本のサッカー界に欠かせぬ指揮官である。