マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

檻に入れられた珍獣の気分

 12月6日の『道草日記』で、

 ――化粧品の広告に登場する女性に恋をすることはない。

 と述べたが――
 化粧品の広告に登場する女性が毛嫌いしているわけではない。

 その中には、昔から興味があった女優さんもいれば――
 最近、気になっている女優さんもいる。

 ――好みの女優さんであっても、化粧品の広告に登場しているときには、まったく好みの容貌や姿体にみえない。

 と、いっている。

 独特のフィルターで覆われている感じがするのだ。
 靄(もや)が、かかっている。

 だから、恋の対象にはなりえない。

 もちろん――
 今の僕は、好みの女優さんに恋をするほどに、純ではないけれど――

 それにしても――

 女性が、化粧品の広告に登場するとき――
 どこか遠いところへ逃げられてしまっている気がするのは、僕だけなのか――
 世の多くの男が、そう感じていると、思いたいのだが――

 簡単には手が出せない感覚とでもいうべきか――
 あるいは、男の気後れを誘う閉塞感とでもいうべきか――

 だから――
 僕はデパートの1階が苦手である。

 あそこは化粧品の広告で溢れている。

 落ち着かない。
 檻(おり)に入れられた珍獣の気分になっていく。