夫婦は似てくるという。
たぶん、いつも互いをみているうちに、何となく相手の真似をしたくなるからだ。
何となく真似をしたくなるのは、相手に好意を抱いているからで――
この好意がなくなると、相手の真似をしたくはなくなるから――
互いに、どんどんと違っていき――
最後は、破局を迎えるに違いない。
つまり、互いに似てくるということは――
夫婦にとっては、2人の関係を維持する上での生命線、ということになる。
どうせ互いに似てくるのなら――
長所がよい。
僕は結婚をしていないので――
あえて好き勝手にいわせてもらうと――
短所が似ている夫婦は、目も当てられない。
夫婦で揃うと、一人の短所が2倍以上に大きくみえる。
が――
当人たちは、それほど困った様子はみせない。
一般に――
周囲に好感をもたれている夫婦というのは、長所が似ている。
逆に、反感をもたれている夫婦は、短所が似ている。
その違いは、周囲にとっては甚大だが――
当人たちにとっては、どうでもよいことである。
長所が似ていて、周囲に好感をもたれていても――
短所が似ていて、周囲に反感をもたれていても――
傍目にみて幸せそうか不幸せそうかは、まったくの別問題だ。
だから、夫婦のことは、難しい。
内向きと外向きとで、評価の基準が変わってくるのだから――
無理もない。