どんな事情があるにせよ――
他人を批判して得られる利益というのは、ほとんどありません。
強いて挙げれば、自分の虚栄心が満たされるということでしょうか。
利益としては、あまりにもささやかですね。
むしろ、一緒に害悪がくっついてくる――トータルでみれば、赤字でしょう。
自分の虚栄心を満たすのに一生懸命な人というのは、たいてい周りから白い目でみられていますからね。
人間なら誰しも、周囲の人に、
――イラ
っとくることはあります。
が、そういうときに、下手に理論武装をし、不用意に批判するのは、おそらく、最も損な対処法です。
では、どうしたらいいでしょうか。
自分が実行する――
それです。
批判というのは、ほとんどの場合に、
――○○するのは良くない。
という主張で要約されます。
ということは、必ず言外に、
――□□するのが良い。
という主張が含まれます。
その「□□」を自分が実行すれば良いのです。
批判の相手に見識があれば、いつかは、それでわかってくれます。
逆に見識がなければ、いくら口でいってもダメです。
たとえ、
――○○するのは良くない。
と批判するのを慎み、
――□□するのが良い。
と助言するようにしても――
口でいっている間は、なかなか相手の胸には響かないものです。