マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「非科学的」と書くからいけないのか

「非科学的」という言葉がありますね。

 ――うさん臭い。

 とか、

 ――根拠薄弱

 とかいった悪い意味にとられることが多いようですが――
 僕自身は、全然、悪い意味には思えないのですね。

 単に「科学的でない」というだけの意味でしょう。

     *

 そもそも――
「科学」は無条件に肯定されうる概念ではありません。

 仮説を立て、その妥当性を判断するために、実験や観測を行い、その判断を基に、新たに仮説を立てる――
 その繰り返しが、科学という営みです。

 つまり、科学では、実験や観測を行って初めて物事が始まるのであって――
 それが行えぬときには、惨めなまでに無力なのです。

 実験や観測の実現性に束縛されているという点が、科学の泣きどころといえましょう。

 よって、「非科学的」というのは、

 ――実験や観測の束縛から自由である。

 とか、

 ――科学の泣きどころとは無縁である。

 とかいった意味にもなりえます。
 それは、決して悪い意味ではありませんよね。

     *

「非科学的」と書くからいけないのかな。

「非・科学的」と書けばよいのかもしれません。

 発音するときも、「非」と「科学的」との間に、ひと呼吸、置くとかね。