マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

誰かのために

 誰かのために、何かをしてあげるということは――
 とても気持ちがよいものだと思います。

(あの人だったら、どう思うだろう? どう感じるだろう? どう考えるだろう?)
 そうやって、あれこれと思いを巡らすこと自体が、心地よいのです。

 もちろん――
 そうやって思いを巡らせることで、その「誰か」に利益をもたらし、その「誰か」に喜んでもらえる――だから、気持ちがよい――
 そういう一面も、あるとは思いますが――

 でも――
 それがメインではないだろうと思うのです。

 その「誰か」の立場に依って、世の物事を色々に思い眺めてみるから、気持ちがよい――
 その「誰か」の立場に依って思い眺めるという主観体験それ自体が、心地よい情感を呼び覚ますのです。

 そうすることで――
 人は、その「誰か」に寄り添うことができるからです。

 人は一人では生きられない――
 誰かに寄り添って生きることで、満ち足りた安寧を手にできる――
 そういうことだろうと思います。