昔の自分の写真というのに、あまり興味がないのですよね。
自分だけじゃなく、家族の写真も、あまり興味がありません。
故人の場合は別ですが――
あと、完全な第三者の場合も別ですが――
今の自分や家族は、ここにあるわけですよね。
その自分や家族は、ほぼ間違いなく、昔の自分や家族とは変わっています。
だから――
昔の自分や家族の写真をみたくないのです。
そこにあるのは、過去に失われた自分や家族であるからです。
2度と取り返すことのできない自分や家族だからです。
「2度と取り返すことのできない」を意識するのがツラいのですね。
それが、まったく否定しようのない現実であるからこそ、意識したくない――
昔の自分や家族の写真は、当分の間、みたいとは思わないでしょう。