ほとんど全ての領域の学問は、結局のところは、
――私たちとは、どういう存在なのか?
という問に集約されるのだと思います。
それが人類学的であれば、
――人間とは何か?
となりますし、自然学的であれば、
――ヒトとは何か?
となります。
あるいは――
「人間とは何か?」であれば、「社会とは何か?」「心とは何か?」といってもよいでしょうし――
「ヒトとは何か?」であれば、「宇宙とは何か?」「命とは何か?」といってもよいでしょう。
人間とヒトとを同一視し、社会と宇宙とを同一視し、心と命とを同一視する――
これらは、いずれも芸術の世界では、当たり前のようになされていると感じます。
が――
なぜか学問の世界では、これら2種類の要素が、相互不可侵の壁で隔てられているようです。
こうした壁を突き崩す――あるいは、こうした壁にとらわれない、気づかない――
そういう学者さんが、もっと、たくさん出て来てもいいと思うのです。
もっとも――
そのためには、そういう学者さんが活動しやすい学界でなければならないのですが――