マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

他者との連関に活路を

 人は、人とつながることでしか、喜びを感じられないのかもしれません。

「人とつながる」とは「他者と意思を疎通させる」ということです。
 他人と仲良くしたり、他人と協力したり、他人と分かち合ったり――

 ときに「人間嫌い」と呼ばれる人がいます。
 概して、財や権にしか興味がないようにみえる人です。

 そういう人であっても――
 その人は、それら財や権を用いて自分の意思を他者へ強制的に伝えているわけですから――
 意志疎通の様式が一方通行であるというだけで、人とのつながりを喜びとしている点では同じです。

 人とのつながりが完全に断たれることで喜びを感じる人というのは、存在するでしょうか。

 おそらく――
 存在しないでしょう。

 いえ――
 存在するかもしれません。

 が、そういう人は、人以外の事物とのつながりに喜びを感じているように思えます。
 人以外の事物に人を重ねている――

 他者(他人や事物)との連関に活路を見いだしているという点では、すべての人が共通しているに違いないのです。

 ここに、人が関わる営みの全ての極意があるといってよいでしょう。

 学問でも芸術でも宗教でも政治でも経済でも――
 それら領域において、何事かを成し遂げようと思ったら――
 他者との連関に活路を見いだすのが必然に違いありません。

 自己完結だけでは、何事も成し遂げられないでしょう。