とくにお世辞などをいわなくても、自然に敬意を抱ける相手というのは――
非常に付き合いやすいですよね。
お世辞というのは、結局は、
――ウソ
ですから――
いわないに越したことはありません。
――いや、そんなことはない。ときにはウソも必要だ。
との向きもあるでしょうが――
たしかに、
――ウソも方便
などとはいいますが――
やはり、どんな場合であっても――
ウソはいわないほうがいいと感じます。
ウソをいわないかわりに、ホントのこともいわない――
これが人間社会の鉄則ではないでしょうか。
ある歴史作家の方が書いておられました。
外交の現場においては、やはり、どんな場合であっても、ウソをいってはならないのだそうです。
ウソをいう外交官は、敵であろうが味方であろうが、最終的には信を失う、と――
誰からも信用されなくなる、と――
それは、外交官としての破滅を意味する、と――
もちろん――
日常生活の場と外交の現場とでは話が違ってきましょうが――
原理原則まで変わってくるとは、ちょっと思えません。