マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

足は上手に掬われよ

 ここ数日――
 悲惨な事件が相次いでいますね。

 国内で元文官やその家族が襲われたり、海外で血なまぐさいテロ行為がなされたり――

 そうしたニュースをTVなどでみていると――
 色々に思うところがないでもないのですが――

 結局のところは、

 ――人間や社会が孕(はら)む矛盾と、それに伴う厳しくも儚(はかな)い現実の結末と

 という話に行き着くのですよね。
 人の世のツラいところというのは、つまりは、そういうところだと思うのです。

 人々は、自分たちの頭で考えた理想を追い回し、挙げ句、現実の不条理や困難に躓(つまず)き、倒れ伏す――
 そういうことです。

 先日、同年輩で同性の友人とお茶を飲んでいて、

 ――人生、転落するのは一瞬だ。

 という話になったのですが――
「一瞬」なのは、理想ばかりを追い回し、突然、地べたの現実に足を掬(すく)われるからでしょう。

 実際には、それほど「一瞬」ではなく――
 あくまでも当人にとってのみ「一瞬」に感じられる、ということです。

 が、

 ――そうならぬように注意をして生きよ。

 などと警告を発したって、何の意味もないと思います。
 理想ばかりを追い回すのが人間で、地べたの現実に足を掬われるのが人間だからです。

 よって――
 地べたの現実に足を掬われるとき――
 その上手な掬われ方を、しっかりマスターしておくのがよいでしょう。

 いつでも受け身をとれるように、心の準備を抜かりなく、ということです。