マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

自分の力を恃むより

 自分の力だけで生きるよりも――
 他人の力を借りて生きるほうが、ずっと困難で煩雑で、知恵や勇気のいることだと思っています。

 自分の力を恃むより、他人の力に頼るほうが、不安だし、面倒だし、気味が悪い――
 そもそも、他人の力というものの真価に、人は、なかなか気付きません。

 自分の力の真価は――まあ、明瞭に意識されているかどうかはともかくとして――だいたいのところは、気付いていると思うのです。
 当然、その限界についても、まあ、わかっているといってよいでしょう。

 が――
 他人の力の限界は、意外にわかりません。

 他人の力の中身だって、よくはわかりませんよ。
 例えば、当初は「力の中身」とは思えなかった性質が、実は真に価値のある力の要素であるかもしれない――

 暇な時間を暇とも思わず、即座に創造的な時間に変えてしまう力を――
 愚かな人間は、「いつも忙しそうに振る舞うヤツめ」で片付けるかもしれません。

 自分の力だけで生きるということは、実は、どんなに愚かな人間にもできることなのです。
 他人の力を借りられるということは、人間が愚かではなくなるということの兆しの一つといえましょう。