女優さんは、あまり公的機関の広告などには出ないほうがいいと思うのですよね。
とくに政府公報などは――
このことは、僕は、もう10年以上前から感じでいたことなのですが――
どうして出ないほうがいいのか、巧く説明できなかったのですよ。
最近、ようやく説明できる感じがしています。
女優さんというのは、清楚なイメージを売りにしている人たちも含めて――
やはり、どこか背徳的な魅力がベースにあると思うのです。
あ、性格俳優は別かもしれません。
が――
いわゆる娯楽映画の主演を務めるような普通の意味での女優さんは、ある種の性愛美を具現していることは間違いがなく――
少なくとも男にとっては間違いがなく――
まあ、それを、
――娼婦的な魅惑
といったら、多分、いいすぎになりますが――
でも――
そういった魅惑に通じる魅力を備えているのが女優さんなわけで――
そうした魅力の質が、女優としての評価を左右しうるわけです。
*
10年くらい前のこと――
ある青年が、深夜のバラエティ番組に出演していまして、
――映画をみていると、その女優さんと性行為をしたくなるんですよ。
みたいに告白していたのですね。
その青年は、顔にモザイクがかけられていて、声は周波数を変えられていたわけですが――(笑
服装はオシャレからは程遠く、髪型にも工夫がなく、全体的に太っていて、いかにも「オタク」っぽい印象を放っていたのですが――(笑
そういう青年に、ある映画監督が――そんなに有名な方ではなかったと記憶していますが――こう囁いたのですよ。
――あのな、今のお前のその「女優と寝たい」っていう発想、すっごくマトモだから!
*
女優とは、基本的には、こういう役回りを期待されていると思うのです。
そして――
優れた女優さんたちは、こうした役回りを、
――しれっ
としたお顔で完璧にこなしておられます。
そういう役回りを背負った女優さんが――
政府公報なんかに出たらダメですよ(笑
炭火に霧吹きをかけるようなものです。