マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

書物、賭け事

 知的好奇心が刺激され、知的な営みに没頭するということの最大の利点は、

 ――浮世の憂さを忘れられる。

 ということでしょう。

 生きることは、基本的には――
 ツラく、苦しく、憂鬱なことです。

 もちろん、

 ――いやいや、そんなことはない。

 という向きもあろうかとは思いますが――
 たぶん、そうした人たちは多数派ではなく――

 少なくとも――
 大人が自活して生きることは――あるいは、自分だけでなく、自分の周囲の人たちの面倒をみながら、生きることは――
 相応に、ツラく、苦しく、憂鬱なことです。

 そうした浮世の憂さを忘れるために――
 人は知的な営みに没頭します。

 書物に触れたり、工作に勤しんだり、広く事物を調べたり、深く物事を考えたり――

 が――
 そうした知的な営みに、何か特有の誇りらしきものは、持たないほうがいいでしょう。

 例えば、

 ――書物に触れることと賭け事に興じることとに、本質的な差異はない。

 ということです。
 どちらも浮世の憂さを忘れるためにやっている――

 そんな風に思います。