今日の仙台は凍えんばかりに寒かったのですが――
まだ今は2月ですので――
凍えるくらいがちょうどいいのです。
ちょうど15年前の今頃に、僕は生まれて初めて仙台の冬を体感したのですが――
30分ほど市街を歩いて、
――う~む、さすがに仙台だ。
と唸ったものです。
それなのに――
2月の最中で妙に温かな日々が続いたりすると――
15年前の自分の抱いた感嘆の念が、泡となって消えてしまうようで、何となく寂しいのですね。
僕は仙台とは全く無縁の生い立ちでした。
そのなのに――
その仙台の大学に通うことを選んだのは――
他でもない、当時の自分自身です。
その決断は、おそらくは、生まれて初めて自分の考えだけで下したものでした。
実は、健康面に不安を持っておりました。
子供の頃から喘息を患っていて、冷気を吸い込むと、しばしば発作を起こしておりました。
――寒い地方で暮らすのは無理ではないか。
と危惧する声もききましたが――
そうした声を押し切って、結局、仙台に移り住むことに決めたのです。
案の定、今でも2、3年に1回ほどには、喘息の発作を起こしておりますが――
そんなにイヤな思いはしておりません。
仙台に移り住むことを決めた頃から――
自分の言動を律する規範が、自分の心の底辺に芽生えたように思います。
――自分自身で決めたことには最後まで責任を持つ。
という規範です。
以後――
自分で十分に納得して決めたことで、その後、自分の思うように事が運ばないことを経験しても――
文句をいったり愚痴をいったりしないように気をつける努力を始めました。
仙台の冬の寒さは、そうした経緯を、毎年、仄かに思いださせてくれるのです。