――政治不信
などと、よくいわれますが――
いったい、どれだけ多くの人が、確固たる根拠をもって、政治に不信感を抱いているのでしょうか。
多くは、TVのニュース番組やバラエティ番組でのコメントに基づいているだけのように思えてなりません。
政治家の言動に根差した本物の政治不信ではないのではないか、と――
例えば、あるコメンテイターが麻生総理を非難しているときに、
(それはいいすぎじゃないの)
と感じることが多々あります。
(なんで、そんな結論になるのか?)
と思って、話の続きをきいてみると――
そのコメンテイターは、麻生総理がTVカメラの前でインタビューに答えた内容だけでなく、新聞や週刊誌が報道している内容も踏まえて、コメントをしているのです。
たしかに、新聞や週刊誌が報道している内容を真に受けるならば、それなりにもっともらしい批判にきこえるわけですが――
忘れてはならないのは、新聞や週刊誌の記者たちをどこまで信用できるのかという問題は常に残される、ということです。
報道には記者たちの主観が混ざります。
ひいては「とにかく部数を伸ばしたい」という新聞社や出版社の思惑も絡みます。
一般の有権者にとっては、TVカメラの前で喋っている姿が、もっとも確かで直接的な判断材料であることは、いうまでもありません。
喋っている内容だけでなく、喋り方、顔の表情、手足の仕草など――
TVのニュース番組やバラエティ番組での識者やタレントたちの発言は、常に話半分にきいておく必要があります。
彼らの「政治不信」発言は、彼らの政治不信を反映はしているかもしれませんが、実際の政治が不信に値するかどうかは、別問題です。
ただし――
政治家がTVカメラの前で喋っている姿に抱く政治不信であれば――
それは本物でしょう――たとえ、ろくな背景知識もなく、ただ直観的に思い込んだだけの政治不信であったとしても――