――美男
という概念を疑っています。
(男が美しいだなんて、ありえんだろう)
と――
きっかけは、ある映画監督が、ご著書のなかで、
――私は美しい男というものをみたことがない。
と述べておられたことです。
(そうだよ!)
と思わず手を打って同意しました。
実は――
「美男らしき男」なら、みたことはあるのです。
――多分これが世にいう「美男」というやつだ。
という男ですね。
それら男は、例外なく「美女みたいな男」でした。
男が男として美しいのではなく、女として美しい――
だから、世の中に美男は存在しない――
存在するのは美女だけである――
つまり、
――男が美しいということは、ありえない。
という結論に達します。
男が男としての魅力を放つとき、その男は決して美しくはないのです。
逞しかったり、清々しかったりするのです。
以上は、あくまで僕の視点からみた話で――
女性の視点からみたら、また違ってくるのかもしれませんが――
まあ、これだけは断言してもいいのではないでしょうか。
曰く、
――男にとって、美男は存在しない。存在するのは「美女みたいな男」だけである。
と――