マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「求心力の低下」とは?

 今日の静岡県知事選挙で、与党側の推していた候補が敗れたそうです。
 勝ったのは野党側が推していた候補――

 メディアは一斉に、こう報じました。

 ――今後、麻生首相の求心力が、ますます低下すると思われる。

 と――

 この「求心力の低下」というのは、何なのでしょうかね。

 メディアが作り出した言葉のように思いますが――
 その意味するところは、何のか、と――

 内閣官房長官の河村さんも、記者会見の場で同様の疑義を呈しておられました。

 ――何をもって「求心力の低下」というのか。

 と――

 もちろん――
 河村さんのお言葉には、はぐらかしの一面があったでしょう。

 河村さんご自身は、十分に承知されていると感じます。
「求心力が低下する」とは、つまり、

 ――周囲の人々が抱いていた畏敬の念が弱まる。

 あるいは、

 ――周囲の人々が本人に敬意を払わなくなる。

 ということ以外の何物でもない、と――

 もっとあからさまにいえば――
 要は、

 ――周りからバカにされ始める。

 ということです。

「バカにされ始める」では、あまりにも外聞が悪いので――
「求心力が低下する」と言い換えているにすぎない――

 しかしですね――
 そもそも、そんな言い換えが必要なのでしょうか。

「バカにされ始める」というようなことは、もっともらしい言葉に言い換えてまで伝えるべき事柄でしょうか。

 しょせん子供の口喧嘩の域を出ない事柄です。

 ですから――
 河村さんの「何をもって『求心力の低下』というのか」との疑義は、きわめて真っ当だろうと思います。

 ――この国の総理大臣がバカにされ始めたとかバカにされ始めていないとかいったことに言及する意義はどこにあるのか。

 ということでしょう。

 それに――
 そのようなことは、政界を飛び交う言動に注意をしていれば、自然とわかることです。

 メディアには、そのような言動こそをつぶさに報じてもらいたいものです。