自分の体が世界と繋がっているということを実感するには――
病気をするといいでしょう。
あるいは、怪我でもいい――
「世界」というのは、「自然」とか「環境」とかいった言葉のほうが適切かもしれません。
もっと大げさにいえば、「宇宙」です。
なぜ、世界との繋がりが実感できるのか――
自分の体の自由がきかなくなるからです。
病気や怪我は、体に甚大な制約を課します。
自分の思い通りには動かせなくなる――
そのときに――
人は、自分の体が世界の構成物の1つであることを実感するでしょう。
目の前の岩石を思い通りに動かせないように――
自分の体も思い通りに動かせないのですから――
ただ――
宇宙との繋がりを実感する度に病気や怪我をしていたのでは――
文字通り、体が幾つあっても足りません(笑
では、どうするか――
少しだけ体を不自由にしてみればいい――
具体的には――
運動です。
「スポーツ」といってもいい――
運動で体に負荷をかけ、体を一時的かつ穏当に不自由にしてやれば、より安全に病気や怪我を疑似体験できるでしょう。
人は、ランニングやストレッチ体操などをしたときに、しばしば気持ちよい感覚を覚えますが――
あれは、ランニングやストレッチ体操それ自体がもたらす満足感以外にも――
自分の体が世界と繋がっていることの実感がもたらしているに違いありません。