マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

ある意味で幸せの極致にいた男性

 きょうの仙台は、ジャズフェスで大盛り上がりでした。

「ジャズフェス」というのは、

 ―― 定禅寺ストリート ジャズ フェスティバル

 のことです。

 今回で19回目を迎えるのだとか――
 毎回、多くの人手でにぎわい、去年は2日間で75万人の聴衆を集めたそうですよ。

 定禅寺というのは、市役所の近くの通りの名で――
 ケヤキ並木の木陰が通り全域を覆うから、真夏の午後でも涼しく散歩が楽しめます。

 そういえば先日――
 そのケヤキのうちの1本が突然に倒れ、全国ニュースにもなっていましたね。

 で――
 その定禅寺通りのジャズ・フェスティバルに、マル太も行って参りました。

 一般聴衆の一人として、ですよ。

 例年ですと、ジャズフェスのときには必ず何らかの用事が入っていたのですが――
 今年は何もなし――

 昼下がりの定禅寺通りをノンビリ歩いてきましたよ。

 あちこちで演奏の人だかりができていて――
 木陰の風とジャズの音とが涼しげに融合しておりました。

 その演奏の人だかりを遠巻きにして――
 僕は定禅寺通りを歩いていたわけですが――
 ふと男性の姿に目が止まりましてね。

 50~60代の男性で、ワイシャツにノーネクタイ――
 なぜか花柄のマスクをし、両腕には1~2歳の赤ちゃんを抱いて――
 その赤ちゃんもマスクをし、男性と一緒にウトウトしているのです。

 男性は、ノーネクタイの着こなしに、いかにも慣れていない様子で――
 ジャズの雰囲気をちっとも楽しんでいない――
 ひどく場違いに思えたのですが――

 花柄のマスクや赤ちゃんの存在で、
(なるほど――)
 と思いました。

 たぶん娘さん夫婦が人だかりの中心にいて――
 一生懸命に演奏に耳を傾けている、と――

 その間は、お祖父ちゃんが、人だかりから離れたところで、赤ちゃんの面倒をみている、と――

 花柄のマスクは娘さんのもので――
 インフルエンザなどをうつされぬように手渡されたものなのでしょう。

 つまり――
 男性は、ある意味で幸せの極致にいたわけです――たぶん――(笑