――組織は秘密をもつと暗くなる。
といった表現をみたことがあります。
歴史小説の一節でした。
(その通りだ)
と思います。
「秘密」は、タブーと言い換えてもよいでしょう。
つまり――
ある組織の中で、
――この話題は絶対に口にしてはいけない。
との総意ができあがっている状態です。
そういう状態になれば、組織の雰囲気は暗くなる――
皆がいいたいことをいえなくなる――
そのタブーは、別に誰も口にしたいとは思っていないのだけれども――
でも、口にできないことが何か1つあるだけで、他のことについても、口が重くなる――
そういうことは、よくあります。
ですから、
――組織はタブーを抱えてはならない。
ということなのですが――
現実的には、そんなことは不可能です。
タブーの1つや2つは、必ずある――
では、どうするか――
タブーの存在それ自体を秘匿すればいい――
組織の構成員のほとんどの人が知らないタブーであれば、問題はありません。
タブーを組織で共有するからいけないのです。