哲学というのは、不思議な学問ですね。
自然学と倫理学とを同等に扱うというのですから――
――世界はどうなっているのか?
を考えるのが哲学の自然学的な側面で、
――人は、いかに生きるべきか。
を考えるのは哲学の倫理学的な側面です。
この全く次元の違う2つの問題に同じようなアプローチで迫るというのですから、不思議であることこの上ありません。
もちろん、実際は話が逆でして――
哲学というアプローチで迫っているうちに、対象となる問題が、自然と倫理とに分かれていっただけなのでしょう。
そうであっても、面白い――
同じ哲学で自然と倫理とを扱うというのは、よく考えたら、とても不思議な同床異夢です。