きのうのプロ野球・日本シリーズで、原辰徳監督の率いる読売ジャイアンツが優勝を決めましたね。
原監督は、今年のワールド・ベースボール・クラシックで日本代表チームを率い、キューバ、アメリカ、韓国といった野球の強豪国を破って世界一に輝いた監督です。
世界一のあとでの日本一です。
世界一の代表チームを擁する日本球界の頂点ですから――
現時点での野球の監督として望みうる最高の結果を出されたわけです。
ご本人のインタビューの受け答えの内容や、マスメディアで報道されている内容をみると――
この方は、人間のことを深くご存じなのだと思います。
もちろん、野球のことを深くご存じなののは、当たり前です。
ご自身も、現役時代はジャイアンツの4番バッターとして、つねにファンの期待に向き合いつづけました。
野球の原理、醍醐味、奥深さを、知り抜いている方でしょう。
とはいえ――
原監督と同じくらいに野球を知り抜いている人は、たぶんゴマンといるのです。
原監督よりも知り抜いている人だって、少なくはないでしょう。
が――
原監督は、野球のことだけでなく、人間のことも知り抜いている――
そう感じます。
どうすれば人は動き、育ち――どうすれば人々は結束し、成果を残すのか、を――
面白いのは――
インタビューでの受け答えの仕方を拝見する限り、あまり器用な方ではなさそうだ、ということです。
少なくとも、言葉の選び方、表現の仕方などは、そんなに器用ではない――
例えば、東北楽天ゴールデンイーグルの前監督・野村克也さんと比べると、まったく器用ではない――
たぶん、巧く言葉で表せないのだろうと思います。
いや、おそらくは――
言葉で表すことに興味をお持ちでない――
原監督の人間理解や心理洞察は、言葉に表されない次元で、綺羅星のごとく結実しているのでしょう。