マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

高層ビルに上って

 高層ビルに上って都市の光景を見下ろすと――
 不思議な気持ちになります。

 足元には無数の建築物が所狭しと並んでいます。

 どれも模型みたいにみえるのですが――
 実際には、その中で無数の人間が暮らしていたり、働いていたりするわけですから――
 どれも巨大で複雑な構造物なわけです。

 そんなものが、無数に並んでいる――
 無秩序に並んでいるようにも、秩序だって並んでいるようにも、みえます。

(よくもまあ、1つひとつ作っていったものだ)
 と感心してしまいます。

 都市の模型を作ったり、絵画を描いたりする人は――
 たいていは1人で、細かい手作業を丹念に進めていくそうです。

 実物の都市も、まるで誰かが、細かい手作業を丹念に進めた結果として、できあがったものであるようにみえます。

 が、実際には、そうではない――
 誰かがか模型を作ったり、絵画を描いたりするして、ああなったのではない――

 無数の人間の無意識は、集まって寄り合わさって、集合体となり――
 それは、1人の人間の意識と同じように振る舞うことがあるのかもしれません。

 経済動向などは、すぐに思いつく例ですが――
 都市の光景にも、似たような様相があります。